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流夢と悪夢と歪御
Dream ‘k’atcher2022年12月30日 

<ドリームキャッチャー 呪われた魔除け>

いろいろドリームキャッチャーに関して調べてた時に
知ったホラー映画なんだけど、気になって仕方なくて見てみました。
ひとまず感想です!わーい!

私の評価:★★★★☆/5点満点
「心理学的な夢」と、どうしようもない「オカルトホラー」が
うっすらと漂う不気味さで絡んでとても好みだった。
ホラーとしては迫力や説得力が足りないかな・・・という感じ。
「夢」という現象そのものに興味がないと楽しめないかも。

歪御様評価:★☆☆☆☆/5点満点
こどもはあんなにうまそうなのに・・・・
さっさと喰わねぇヤツの喰い方がじれってぇ一人逃がしてるし。
あんなに時間かけてたら希望持たせがちで味がマズくなるじゃねぇか。
(おばけ目線のネタ評価。初めて1がついたぞ!!!)


簡単に映画の内容を説明すると、
母親の死に傷ついている男の子「ジョシュ」くんが、
父親の再婚相手の人と、かつて母親と住んでいた家に
再び戻って暮らしはじめる物語。

再婚相手の女性「ゲイル」さんは心理学者で、
ジョシュくんのケアも行おうとする。

ジョシュくんは毎晩母親の悪夢に悩まされていて、それを怖がってたけど、
ある日の散歩で立ち寄ったお店の古い倉庫で、
埃のかぶった黒い歪なドリームキャッチャーを手に入れる。
(勝手に持ち出しちゃった・・・)

それを手に入れてから、夢の中の母親が優しくなるけど、
だんだん夢遊病になったり、おかしな現象が起こったり。

ジョシュくんはゲイルさんを最初はあまり受け入れてないけど、
少しずつ距離を縮めて、お互い仲良くなる兆しも出てくる。
けど、おかしな現象がエスカレートするので、
オカルトを信じてないゲイルさんは精神的に疲労していく。

夢の中のお母親も、再びだんだん怖くなっていくし、
ジョシュくんも疲れていって・・・


歪な木枠と黒い糸で装飾をされたドリームキャッチャーは、
悪を孕んでいる。

英語のスペルで、キャッチャーの「catcher」が
「katcher」になっていて、こんな単語はたぶん存在しない為、
存在しないものとか、まちがい、偽物ってことなのかな?

映画に出てきたドリームキャッチャーは、
たしかに正円でなくて羽を垂らす紐も黒だったんですが・・・

初めに安心して頂きたいのですが、
現実にも黒くて正円でないドリームキャッチャーはあります!

現地の部族の人が正円でないの作ってたし、
そもそも人それぞれでオリジナルの形作って進化して良いって記事を見ました。
基本的には「生命の循環」を表す輪、つまり循環できる形であればよいので、あとは願いの問題です。

そして感謝の気持ちでドリームキャッチャーを
授けてくれたクモの神の贈り物が、そんなことをするはずがない、思う・・・

つまり、「この映画のドリームキャッチャー」が
特別にやばい呪物だってだけなので、安心してね!!!!
(謎のリサーチ)
でも不安なのでリサーチは続けます。ほんとだったらきをつけりゅ。

・・・

一言で言うと、わりと王道な悪霊+サスペンス映画ではあるんだけど、
淡々と後味わるいとこが好きでした。
特に盛り上がる場面もなくて、なんも解決しない。
淡々と日々が続いて、起こった事が描かれていく。
作業用BGMに良いレベルに起伏がなっしんぐ。

そしてその悪いドリームキャッチャーの起源は描かれていない。
燃やしたのに復活してるし・・・
離れても一度捕えられたら終わりみたいな。呪怨かな?
こういう王道な感じも良き良き。

最後は、逃げながら慌てて山の地面の中に埋められて、
それで終わってしまったけど、
あとでそこを通りかかった別の子供がそれを見つけてしまって、
また悪夢が循環する・・・みたいな、そういう後味の悪さです。こわい。

これ!!!!って結末が欲しい人には不完全燃焼でもやもやするかもです。

・・・

ジョシュくんの様子がおかしくなっていく様子が、
夢の力の方が上になって、結果的に悪霊や悪魔に憑かれたような状態になっていました。
ので、ジャンル的には悪霊とか悪魔憑きの映画に似てると思います。

けど、こういうジャンルで外国の映画となると、
だいたいグロくてうるさいじゃないですか(言い方)
この映画は静かでじわじわ来るタイプで外国にしては珍しいもので、私は好みでした。
ときどき入る効果音が爆音で、それは外国らしいなと思いましたが。笑
音楽もクロックタワー2みたいなちょっとこわかっこいいBGMで好みでした。

なにより男の子がどんどん朦朧としてきて
斧で息荒くして大人を殺しに来るってシチュエーションが最高ですね性癖。
あとジョシュくんの着てた、謎のオカルトTシャツが気になって仕方なかったです。
ガイコツとかよくわからん部族の仮面みたいなのが描かれてるの。良いセンスだぜ。

・・・

心理学者であるゲイルさんも、けっこう冷静でよかったのに、
オカルトを徹底的に信じていないせいで
ツンケンしちゃってたのは悲しかったかな・・・

こわい夢に怯えるジョシュくんに寄り添っていたとは思うんだけど、
普通のドリームキャッチャーくらい買ってあげればよかったのにな・・・

まじないってのはそういうとこ大事なんだよ。
子供に科学的な事ばかり言ったってよく分かんないし、安心できるならあった方がいいなとは思うんだけどな。

ドリームキャッチャーを買ってくれなかったばかりに、
ジョシュくんはあの呪いのドリームキャッチャーを持って行ってしまったわけで、
まぁ勝手に持ってくのは良くないけど、
やっぱ「いらないでしょ」って言い切って拒否されたのはかわいそうだった。
なんで「こわがるのはいい」までは言えるのに、おまじないはダメなのか・・・
子どもが欲しいものに勝手に「いらない」って言うの、
ほんと残酷だから、断るにしても別の言い方にしようね・・・

・・・

あと、そのドリームキャッチャーがあったお店のおばあちゃんは、
昔のジョシュくんの家族も知っていたみたいで、
ドリームキャッチャーに潜む悪霊のことも知っていて、
あれがなくなっていることに気付いて慌てて家まで来てくれた。

最初はなんでそんなもの保管してたのかと思ったけど、
燃やしても復活するから戻ってきちゃうってことだったのかな・・・

おばあちゃんは、
そのドリームキャッチャーの悪夢によって、孫が殺されてしまっていた。
真相は、悪夢に操られて殺しまっていた孫が、
もう自分を止めてほしいとおばあちゃんにお願いして、
おばあちゃんに殺されていたという、なんともやりきれない真相・・・

孫がジョシュくんのお母さんも殺していたのも知っていて、
ジョシュくんも「殺された」のは知らなくて(溺死と言われてた)、
教えてくれなかったお父さんにも不信感を抱く。
だんだん悪夢に取り込まれていって、ジョシュくん自身の意識の境目がわからなくなってくる。

悪夢による殺戮をを繰り返してはいけないと、
おばあちゃんは注意してくれたけど、やっぱりゲイルさん信じてなくて。
やっぱりなんにでも興味を持って受け入れるって大事だなと思った部分でした0(:3 )〜 _(‘、3」 ∠ )_

・・・

結局ジョシュくんは悪夢に操られるままお父さんを殺して、
ゲイルさんは助かったけど殺しかけて、
助けようとしてくれた、お店のおばあちゃんも殺してしまった。
一人になって、血を流しながらとぼとぼ山道歩いてる。
ゲイルさんはあまりの恐怖で逃げ出して、ドリームキャッチャーを山に埋めてどこかに行ってしまうし・・・
これからどこに行っちゃうんだろう・・・

結末なしみたいな感じで、ほんとこれは好み分かれるな。
レビュー評価けっこう低いんだけど、
読んでるとここら辺が退屈って人が多いみたいで、
たしかにホラーとして見るとイマイチかなとは自分でも思いました。

血も少なくて視覚的な不快感もあまりなかったので、
それがあっさり感にもなっちゃってるのかなぁ
私的には見やすいです。日常に淡々と起こってる感じがホントにすき。
サブリミナル真っ二つおかあちゃんだけちょっとウワッてなったヾ(:3ノシヾ)ノシ

・・・

ホラー映画として見ると退屈。
それはそうですが、私は「夢」を題材にしたものとしてはとても良いと思いました。

というのも、この映画の細かいところで、
さりげなく夢についての基本が抑えられていたからです。
普通にそこが面白かった。

●心理学者ゲイルさんの発言
・母親が真っ二つに分かれる夢は、トラウマの決別を表す良い兆候
呪いと環境が良くなかっただけで、適切なケアがあればこれは間違いじゃなかった。

・夢はコントロールできる、寝る前に見たい夢をイメージすること

・売ってる魔除け道具に対して「民族の文化の悪用」
(起源のオジブワ族の方々が売り物にするのを好ましく思っていない事を調査済み、リスペクトはある)

●夢の現象
・黒いドリームキャッチャーを手に入れてから、夢の中の母親が甘く優しくなった。
→甘えと決別のできない象徴。ダメになってく予兆になってた。

・悪夢の母親が口づけで煙を入れる。
空気のように体の中に入って一緒に息をする(取り込まれる)

・夢の中で何度も物語を語られる事で、無意識に染みついて操ってしまう。(次の行動へ)

・現実の薪割り行動が、夢で語られ続けた物語と一致してしまい、殺人という現実行動に移ってしまう。
(夢と同じことをする事の意識強化)

ここらのじわじわ具合が、がめっちゃ好きでした!!!
たぶんここが退屈って思われる部分なんだろうけど、私はそこがいいんじゃ・・・
夢ってやっぱ難しいんやな・・・

・・・

あと、ジョシュくんが現実で、
ゲイルさんにいろいろケガをさせるイタズラをしてたような描写があるけど、
あれ、ジョシュくんが「やってない」って言うのは本当だと思うのよな。

というのも、無意識をこういじられたらたぶん、知らないうちにやってて、
ここまで混濁してると現実でも自我がないと思うのよたぶん。
それか普通に悪霊の仕業でもいいけど0(:3 )〜 _(‘、3」 ∠ )_
ここの描写がはっきりしていないので、
どっちなんだろう~って思う曖昧さがあ中途半端になっちゃってるのかな。

「心理的な」要素と「ちょっとのホラー」。
この二つがうっすらと漂うような不気味さで絡んでいて、わたしゃすきです(何度も言う)

・・・

歪御くんの評価的には、
静かだったし、悪夢の攻め方がたぶん似てて気に入ったので★1が付いたんでしょう。

あの悪夢は、魂を生かさず殺さず取り込んで、
踊り食いみたいにじわじわ喰ってる感じで、また歪御くんとは違う性格の悪さだと思いました。

おばあちゃんのお孫さんの名前は「ノア」だったんだけど、
「ノアのおかげで存分に楽しめたよ」と発言してる悪夢さん、
めちゃくちゃゲスいと思いました。いいぞ!!!

食べ方、味わい方が違うだけで、
歪御くんとはかなり似てると思いました。こええわ。

・・・

流夢くんがあんなもん見たら即行でお祓い対象ですね。
たぶん、蓮の夢日記みたいな感じになるよ。
夢うさぎちゃん軍団にもおしくらまんじゅうされますわ。

黒いドリームキャッチャー、すぐには壊さないだろうけど、
とりあえず回収して中に入ってあれこれ頑張るんだろうな。
あの中、魂ぐちゃぐちゃでやばいことになってそうだわ。

とにかく楽しかったです!!!
年末に息抜き映画見れてよかった・・・
初夢控えてて悪夢映画見てるのわらうけど、良い夢見れますように!!!